【 いろんな場合の慰謝料 】

慰謝料請求された場合、慰謝料の支払いを分割払いにできるのか?

2018年01月31日

  

いろんな場合の慰謝料

慰謝料を請求された!支払いを分割にすることはできる?

不倫や浮気の代償として発生するのが慰謝料の請求。一般的には数十万から数百万の支払いになることが多いでしょう。
突然の慰謝料請求、支払うお金がないときはどうすればいいのでしょうか?
自分に非があると認めながらも、一括での支払いが難しい場合分割での支払いが可能です。
慰謝料を分割で支払う場合の流れや注意点を抑えて、トラブルのない解決を目指しましょう。

目次

~慰謝料を請求された!支払いを分割にすることはできる?~
○慰謝料の支払いは分割にすることができます
 ■お金はあるけど払いたくない。貯金がないと嘘をつける?
 ■本当に現金がない!借りてでも払うべき?
 ■分割払いの交渉をしましょう!
○慰謝料の分割支払いが認められる例
 ■現在の収入など一括での支払い能力の有無
 ■収入以外の財産の保有
 ■相手から分割支払いの提示がある
○相手が分割支払いを認めない場合
 ■お互いの主張を話し合う
 ■合意に至らない場合は訴訟に
○分割支払いが決まったら注意すべきこと
 ■支払いに関するルールを決める
 ■同意内容を文書として残す
 ■公正証書のメリットとデメリット
 ■公正証書作成の流れ
○慰謝料の分割支払いによくあるトラブル
 ■ケース1:金額や返済期間など条件を変更された
 ■ケース2:無職になり支払い能力に変化があった
○慰謝料の分割支払いする場合の一般的な相場は?
 ■慰謝料の相場とは?
 ■分割にした場合の一般的な支払い方法は?
○慰謝料の解決には誠意が大切
○まとめ

慰謝料の支払いは分割にすることができます

お金はあるけど払いたくない。貯金がないと嘘をつける?

名義人以外が預金残高を知る方法は、勝手に通帳やカードを持ち出す以外にありません。
通帳、カード、印鑑をしっかり管理しているなら、たとえ配偶者でも残高を調べることはできないでしょう。
では、「本当に貯金はない」の一点張りで通るかというと、おそらく無理でしょう。
簡単なことです。「じゃあ通帳を見せてよ!」と言われれば出さないわけにいかないからです。

本当に現金がない!借りてでも払うべき?

慰謝料を支払う意思があっても、現実的にない袖は振れません。
浮気が原因で離婚に至った場合、その慰謝料の相場は数百万と言われています。

親戚や友人から無利子で借りられる方もいますが、理由を聞いた途端に断られたという方も多いです。
現金がない場合、消費者金融からお金を借りてでも賠償にあてるべきでしょうか?
答えはNO。
例えば、100万円借りて無理なく返すために毎月の支払いを3万円にしたいとします。
支払期間は約4年(47ヶ月)。
金利17.8%の場合、支払う金額の合計は、141万円です。

頑張って毎月5万円返したとします。それでも支払期間は24ヶ月。
支払う金額の合計は120万円です。

利子だけで何十万円にも膨らんでしまいます。
消費者金融から借りる手段は、できるだけとらないで下さい。
請求相手が「消費者金融で借りてこい」と強制することはできませんし、そういった発言は脅迫になります。

分割払いを交渉しましょう!

相手は一括で欲しいに決まっていますが、話がこじれて慰謝料が回収できなくなったり、減額されるよりは分割でも確実に受け取れる道の方が安全です。誠実に対応すれば、受け入れてくれる可能性は十分あります。

分割での支払いや減額など、相手に不利益となる交渉の場合は、時間がかかります。
その都度、相手と接触しなければならないので請求側にストレスがかかります。
冷静に交渉を進め、相手を逆上させないためにも、弁護士や行政書士など専門の知識をもったプロに相談することをおすすめします。

慰謝料の分割支払いが認められる例

現在の収入など一括での支払い能力の有無

毎月の収入から今後の生活にかかるお金を計算して、一括での支払い能力がないと認められれば、相手も分割での支払いに応じてくれることが多いでしょう。
この際、現在の仕事状況や年収などを証明しなければなりません。

収入以外の財産の保有

毎月の収入の他にも慰謝料の支払いに充当できるものがあります。夫婦が離婚する際に行われる財産分与がそのひとつです。
結婚後に夫婦で築いた財産は共有財産とみなされ、離婚する際に財産分与を行います。
慰謝料が発生する場合にはこの財産分与において、慰謝料に相当する財産を相手に多く分配することで慰謝料の代わりとすることができます。
この場合、相手が財産分与での相殺に同意する必要がありますので、お互いの主張を話し合う必要があるでしょう。

財産分与の対象となるものには以下のようなものがあります。
・土地や建物などの不動産
・結婚後に蓄えた預貯金
・車
・家財や美術品など
・株券などの有価証券
財産分与の対象となるものは、あくまでも結婚後に築いた財産です。
結婚後に購入したものだけでなく、自分の給与から蓄えた貯蓄についても婚姻時に築いた財産となり分与の対象となります。
相手が専業主婦であり収入がない場合でも、自身が外で働き収入を得ることができたのは、婚姻時に相手の協力があったからと考えられるからです。

反対に結婚前に自信で溜めていた貯蓄や、相続や贈与として受け取った財産は共有財産とならないため財産分与の対象にはなりません。
そのため、財産分与の算出のため個人口座など財産状況の開示を求められることもあります。

相手が分割支払いを認めない場合

お互いの主張を話し合う

先に相手の主張をしっかりと聞きましょう。
どのくらいの金額を希望しているか、支払いは一括のみか分割に応じるのか、今後結婚生活を継続するのか否か…。

中には一般的な相場から大きくかけ離れた金額を請求してくる人もいます。誠意を持った対応は必要ですが、あまりに非常識な要求をされた場合は、減額を交渉するべきです。
弁護士や行政書士など専門家に相談することをおすすめします。

合意に至らない場合は訴訟に

相手がどんな理由も受け入れず、一括支払いのみを要求してくる場合は、裁判を起こし訴訟により解決することになります。
慰謝料の請求通りに支払いが行われなかった場合、請求側は裁判により財産の差し押さえをすることができます。
貯蓄など差し押さえる財産がない場合、毎月の給与を自動的に差し押さえられる可能性があります。

しかし、安心して下さい。全額持って行かれるわけではありません。
給与の差し押さえには上限金額があり、手取りの1/4まで(手取り金額が66万円を超える場合は、33万円を控除した残り全額)と決められているのです。

どんなに頑なに「一括で払え!」と要求したところで、本当に財産がないなら最終的にはこのようにしかなりません。
裁判費用、債権差押命令申立てを行うための時間や費用、労力を考えると、どうせ分割払いになるのなら最初から受け入れるのも同じことと考える人は多いです。
一括での支払い能力がないことを明確に説明すれば相手が応じる可能性はあります。

分割支払いが決まったら注意すべきこと

支払いに関するルールを決める

分割で支払いことに双方合意できたら、詳細なルールを決めていく必要があります。
相手の立場からは、分割とはいえできるだけ少ない回数で回収したいという人が多いでしょう。
分割回数を減らすということは1回あたりの支払金額が大きくなるということです。
しかしあなた自身にも今後の生活のためのお金が必要です。
できるかぎり相手の希望に沿うという姿勢は持ちつつ、1回あたりの支払金額や回数について話し合いを行いましょう。

同意内容を文書として残す

夫婦が離婚する際には、慰謝料だけでなく財産分与や養育費、子供との面会など、さまざまな取り決めを行う必要があります。
これらの条件や取り決めたルールについて、お互いが納得して合意したことは必ず「離婚協議書」として残しておきましょう。
口頭での約束だけだと、その後条件が変更されたり、言った言わないといったトラブルに発展する可能性があるからです。
この離婚協議書を作成する際に、慰謝料が発生する場合は、その金額や支払い方法、期間だけでなく、振込手数料の負担についてなど、細かい条件も必ず明記しましょう。

書式は自由ですので、法的に決められたものはありませんが、作成の際は専門家に相談し、漏れ・抜けのないよう書面を作成してもらう方が確実です。
特に養育費や財産分与など、慰謝料以外の取り決めが複数ある場合は、専門家の知識が必要となるでしょう。
一度相手が分割払いを認めても、突然一括で残金を支払うよう要求してきたり、金額を変更してくるなど予期せぬトラブルを防ぐためにも、全ての条件を明記した離婚協議書の作成は必須です。

離婚協議書は作成するだけでは、残念ながら法的な拘束力は弱く、強制執行の力を持たないため、必ず公正証書として作成しましょう。
公正証書は公証人立ち合いのもと作成される公的文書であるため、ねつ造されない、法的な強制執行力を持つといったメリットがあります。
公正証書作成の手順やメリット、デメリットについては次で説明していきたいと思います。

公正証書のメリットとデメリット

公正証書の一番のメリットは法的に認められた公式文書であるという点です。
慰謝料の金額や支払い方法について、合意後に勝手に変更されることを防ぐことができます。
しかしデメリットもあり、公正証書は夫婦二人で公証役場へ行く必要があり、公正役場は平日しか開いていないため、作成するための時間や手間が必要となります。
また、1万~3万円ほどの費用もかかりますが、この費用は債務側、つまり慰謝料を支払う側が負担することがほとんどです。

公正証書作成の流れ

公正証書を作成する際には以下のものが必要となります。
・作成した離婚協議書
・夫婦それぞれの戸籍謄本
・印鑑証明と実印
・身分証明書
・財産分与や年金分割がある場合は、不動産などの登記簿謄本や年金手帳など

作成した離婚協議をもって公証役場へ行き、公証人と面談を行います。
夫婦で作成した離婚協議書を提出し、内容に問題がなければ最終確認を行ったうえで、公正証書を作成してもらいます。
作成された公正証書案を確認し、印鑑を捺印し完成です。
費用は完成当日に現金での支払いが原則です。

公正証書作成にかかる手数料は以下のように、目的の金額(慰謝料や養育費など発生する金額)により異なります。
・100万円以下         5000円
・100万円を超え200万円以下  7000円
・200万円を超え500万円以下  11000円
・500万円を超え1000万円以下  17000円

慰謝料の分割支払いによくあるトラブル

ケース1:金額や返済期間など条件を変更された

相談者:50代男性
請求された慰謝料額:150万
内容:

40代で妻と離婚。原因が自身の浮気だったため慰謝料を請求され、分割で支払いを継続していました。
離婚後転職し収入が増えたことを知った元妻が、支払い金額の増額を一方的に要求してきたため、男性は専門家に相談することにしました。
解説:
元妻の言い分は、「当時の苦痛を考えればもっと高い慰謝料を希望していたが、支払い能力がないだろうと好意で減額した慰謝料金額を決定した」、そのため現在収入が上がったのであれば、本来希望した金額をもらいたいという勝手なものでした。
相談に訪れた男性は、当時の合意条件を書面で残していたため、不当な請求であると退けることができました。
離婚後に築いた財産は、既に別れている妻には関係のない財産です。
離婚時に合意された金額を、離婚後の状況に合わせ勝手に増やすことはできません。分割での支払いの場合、支払い完了までに時間がかかるため、条件面での「言った・言わない」や、既に履行した回数などを曲げられる可能性もあります。
条件を取り決めた時の詳細な内容を文書に残し、分割での支払い実績についてもきちんと管理することが大切です。

ケース2:無職になり支払い能力に変化があった

相談者:30代男性
請求された慰謝料額:100万
内容:
自身の浮気が原因で妻と離婚。慰謝料として100万円を分割で支払っていくことで合意しました。
滞りなく支払いを続けていたが事情により突然無職に。収入が途絶えたことで慰謝料の支払いが遅延するようになり、元妻からこのまま支払いがなければ強制執行も辞さないとの連絡が入り対応に困った男性が相談にいらっしゃいました。
解説:
相談に訪れた男性は、離婚の原因が自分にあることを認め、できる限り精一杯支払っていきたいという考えをお持ちでしたので、まずはその誠意を相手に伝えることから交渉を開始。
現在無職であり収入がないことや、就職活動をおこなっていることを説明し、一定期間支払いを待ってもらうこと、また今までの支払い実績もあり減額を相手に認めてもらいました。
支払いを開始する時期や、減額した金額を提案し、それらの条件を文書として残すことで、支払いを停止している間催促をしないことを取り決めました。
最初は抵抗を示していた相手も、相談者に支払う気持ちがあること、今でも反省していることがわかり、交渉の結果、減額や支払いの一時停止に応じてくれた事例です。

慰謝料の分割支払いする場合の一般的な相場は?

慰謝料の相場とは?

芸能人が離婚した時、慰謝料が数千万、数億という話もよく聞きますが、一般社会ではそのような金額はほぼ発生しないと言えるでしょう。
離婚慰謝料の相場は、支払い側の収入や財産によっても異なりますが、約50万円~300万円と言われています。
不貞行為により慰謝料が発生する場合、その後夫婦関係を継続し回復を目指す場合は数十万円と低額になることが多く、離婚に至る場合は金額が大きくなり200万円~300万円と言われています。
慰謝料が100万円を超えると一括で支払えない場合も多く、交渉し分割での支払いとすることも可能です。
また財産分与や子供がいる場合は、家のローンを負担したり養育費の金額などで、慰謝料を相殺するケースもあります。

分割にした場合の一般的な支払い方法は?

一般的には分割での支払いの場合、5万円~10万円程度の支払いが多いと言われています。
これは慰謝料の他に養育費の有無によっても変わってきます。
養育費を含めた毎回の支払いが無理なく行える金額になるよう、相手と交渉を重ねることになります。

慰謝料の分割は取り決めた金額を毎月1回支払うことが多いでしょう。
例えば100万円の慰謝料で合意した場合、毎月5万円を20回で支払う、毎月3万円を33回で支払うなどです。
また、養育費と異なり慰謝料については、支払う側の経済状況をある程度考えて交渉することも可能な場合があります。
例えば車のローンなど、他の支払いが大きな割合を占めている場合、返済が終わる半年後から慰謝料の支払いを開始するなど、金額だけでなく支払いの回数や期間を交渉することがあります。
これらの交渉はお互いが感情的になりやすいため、専門家へ相談、依頼することでスムーズに解決ことができるでしょう。

慰謝料の解決には誠意が大切

離婚慰謝料は、浮気などの不貞行為をはじめ、離婚原因により相手が受けた精神的苦痛に対するお金です。
しかしながら、現実的に一括では支払えないという状況ももちろんあるでしょう。
慰謝料問題をスムーズに解決するためには、相手に与えた苦痛を知り、自分の非を認め謝意を表すことです。

相手が分割での支払いを拒否している理由の多くは、支払う側の人間を信頼していないからと言えるかもしれません。
結婚中に浮気をされたのであれば、その気持ちも理解できますよね。
そのため慰謝料の分割を交渉する場合、慰謝料を支払う気持ちがあり、必ず最後まで支払うという思いを伝えることが第一です。
反省しその証しとして慰謝料をしっかり支払っていくと信頼してもらうことが大切です。

慰謝料を分割で支払う際のまとめ

慰謝料を分割で支払いたいと希望する場合は、まず相手に「お願いする」という気持ちをもって交渉にのぞみましょう。
相手は、分割にすることで慰謝料を支払ってもらえないのではないか、最後まで支払われないのではないかという不安を持っています。
出来る限り早めに支払っていきたいという誠意をみせ話し合いましょう。

分割での支払いは期間がかかるため、一括での支払いに比べ、受け取る側・支払う側双方にリスクがあります。
分割であるからこそ、問題なく支払いが完了するための準備と手順が必要です。
それらのリスクや合意後のトラブルを避けるためにも、専門の知識を持ったプロに相談することをおすすめします。

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