【 慰謝料の基礎知識 】

慰謝料とは?男女トラブルの慰謝料の意味と請求できる条件・相場・注意点

2018年03月20日

  

慰謝料の基礎知識

「慰謝料を請求してやる!」
離婚の話し合いの中でよく聞く文言ですよね。
では、改めて“慰謝料”とはいったい何なのでしょうか?
“慰謝料”について再確認します。
※慰謝料が発生する理由には様々なものがありますが、ここでは「男女問題にまつわる慰謝料」に的を絞って解説します。

そもそも慰謝料とは?

慰謝料とは精神的苦痛・被害に対して支払う損害賠償のこと。
精神的被害とは具体的には、以下のような事柄を指します。
  • パートナーが配偶者以外の異性と浮気、不倫をしている
  • パートナーから暴力、暴言を受けている
  • コミュニケーションがとれなかったり、執拗に嫌がらせされたりする
  • 過度な溜め息などストレスや苛つきを過剰表現される
このような事態が慢性化すると、人は多大なるストレスを感じます。
うつ病やパニック障害、不眠症などの症状に悩まされるケースもあるでしょう。
結果、精神的苦痛を受けたと判断できる場合、損害賠償として慰謝料を請求できることになります。
精神的苦痛の線引きや主な種類についてはこちらからご確認ください。

離婚時に慰謝料を請求できるケースと請求できないケース

慰謝料が発生するタイミングとして多いのが離婚時です。
しかしながら慰謝料請求できるかできないかは「離婚の理由」によって変わってきます。
ここでは離婚時に慰謝料を請求できるケースと請求できないケースを説明します。
「離婚すればどんな理由であっても慰謝料がもらえる」というわけではありませんので、離婚を検討しているのであれば事前に理解しておくことが重要です。

【離婚時に慰謝料請求できるケース】

・浮気など相手の不貞行為
・DVやモラハラなどの暴力行為(言葉や態度の暴力も含む)
・生活費を渡さない
・専業主婦なのに家事をしないなどの悪意の遺棄
・セックスレス、長年にわたる性交渉の拒否・
・嫁姑のいさかいを仲介しないなど

【離婚時に慰謝料請求できないケース】

・性格の不一致
・重度の精神障害
・自分にも何らかの非がある
・宗教上の対立
・すでに夫婦生活が破綻している状態での不倫など

ケース別、慰謝料の相場

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慰謝料といえば、やっぱり金額が気になるものです

では、離婚時に相手から精神的苦痛を受けたとして慰謝料を請求する場合、一体いくらぐらい請求できるのでしょうか。
ケース別にみていきましょう。

(1)パートナーが不倫・浮気をしたケース

浮気・不倫の場合の慰謝料の相場は50万~500万円。
裁判の場合、一般的には300万円前後に収まることが多いです。
慰謝料の金額は以下の条件によって変わります。

離婚するか、しないか

不倫されたとしても、離婚しないという選択をした場合、精神的苦痛は少ないとみられ、慰謝料請求できる金額は減額します。
浮気が原因で離婚に至った場合は200万~300万円、浮気が原因で別居した場合は100万~200万円、浮気されたが夫婦関係は継続する場合は50万~100万円が相場となっています。

結婚期間の長さ

婚姻期間が長いほど、信頼していたパートナーに裏切られたショックが大きいと見なされ、請求できる金額が大きくなります。

不倫、浮気された期間

たった1回の浮気よりも、長期間、何度も浮気された人の方が精神的苦痛が大きいと見なされ、慰謝料請求できる金額が増えます。

過去に不倫され、「もうしない」と約束したのに、また不倫された

過去に不倫された時、「もう絶対しないから」と懇願され許したのに、また同じ行為をされた場合、裏切られた精神的ショックは大きいとみなされ、前回よりも多額の慰謝料を請求できるようになります。

子供の有無

子供がいる家庭の場合、子供たちも親の裏切りに傷ついていると考えられ慰謝料を支払う金額も大きくなります。また子供の年齢が幼いほど精神的被害は大きいと見なされ、慰謝料は多額に。また子供の数が多いほど、被害者の人数も多いため、慰謝料は増額します。

浮気相手との子供の有無

もしパートナーが浮気相手と子供を作ってしまった場合、配偶者の精神的苦痛は大きいと見なされ、慰謝料増額の理由となります。

 

その他の要素も加味して最終的に決定します
上記以外にも、請求者に落ち度がないか、浮気の期間・回数・内容、浮気に対する積極性、子供の有無、不倫相手の子供の有無、精神的苦痛の度合い(うつ病を発症したなど)、パートナーの年齢・年収・資産・社会的地位など様々な要素が加味された結果、最終的な金額が決まります。

(2)モラハラやDVを受けた場合

「死ね!」「バカ!」などの罵詈雑言を浴びせられたり、日常的に暴力をふるわれたり。
そのようなモラハラやDVを受けていた場合、慰謝料として50万~200万円ほど請求できることが多いです。
モラハラ、DVの場合も、以下の内容に当てはまるかどうかで、金額に差が出てきます。
  • モラハラ、DVを何回受けたか
  • モラハラ、DVを受けた期間はどれくらいだったか
  • モラハラ、DVを受けた側に落ち度はないか
  • モラハラ、DVを受けたことにより、どのような被害を受けたか
  • モラハラ、DVを受けたことにより、うつ病などを発症していないかどうかなど

(3)悪意の遺棄があった場合

悪意の遺棄とは、パートナーが健康であるにも関わらず働かなかったり、生活費を渡さなかったり、意味もなく別居しようとしたりすることで夫婦生活を成り立たせない状況を指します。
悪意の遺棄を受けた場合、被害者は50万~300万円前後の慰謝料を請求できることが多いです。
悪意の遺棄も、以下の条件に当てはまるか否かで請求できる金額が変わります。
  • 別居期間はどのくらいか
  • 被害を受けた側に落ち度はないか
  • 妻は働いているか、専業主婦か(夫が生活費などを渡さない場合)
  • 夫が健康であるのに働かないのに正当な理由があるかないかなど

(4)その他の場合

その他、以下のようなケースに慰謝料を請求することができます。

性交渉の拒絶(セックスレス)

3年以上性交渉をしていない(セックスレス)である、結婚してから一度も性交渉していない、パートナーとはしていないのに不倫相手とは性交渉していたなどの場合、50万~300万円ほどの慰謝料を請求できることが多いです。

婚姻継続のための努力を怠った

例えば、姑と妻の間にいさかいが生じているにもかかわらず、関係修復のための一手を全く打たなかった場合、妻は夫に慰謝料を請求できるケースがあります。

慰謝料請求の進め方

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ストレスの大きい慰謝料トラブル。どのように進めていくべきなのでしょうか

慰謝料請求の根拠と相場を把握したら、話し合い(協議)に持ち込みましょう。
話し合いの際は、以下のポイントに注意します。

 

話し合いの際の注意点
話し合いの際は、感情的にならないよう努めましょう。
暴力や暴言などはもってのほか。
相手に非があるとどうしても責め立ててしまいたくなりますが、逆効果です。
相手の感情を刺激しすぎることで、最初は殊勝だった相手も「そこまで言うことないだろう!」と逆ギレする可能性があります。
激高して相手を非難するのではなく、慰謝料請求に向けての交渉を淡々と進めましょう。
こちらが凜とした態度で臨めば相手も言い逃れできなくなり、話し合いに応じざるを得なくなります。

(1)証拠を突きつける

離婚協議をする際は、証拠を用意しましょう。裁判と違って協議離婚の場合、必ずしも証拠が必要ではありませんが、証拠の有無で話の進み方が大きく変わっていきます。
証拠がなければ「不倫したでしょ?」と言いつのっても、相手が首を縦に振ってくれない限り、埒(らち)が明きません。不毛なやり取りをなくすためにも事前に以下のような証拠を準備しておきましょう。
証拠に関する情報はこちらの記事をご確認ください。

(2)話し合いの結果は必ず示談書に記載する

話し合いがまとまったからといって安堵してはなりません。
協議を終えても、実際に慰謝料の支払いを渋る人はいます。
約束したのに、なかなか支払ってくれない、そんなときに有効なのが示談書です。
示談書は、名前の通り、示談(話し合いの結果)の内容を記す書類。
慰謝料について協議する場合は、必ずその場で示談書も作成しましょう。
示談書には、
  • 不倫の事実を認めること
  • 不倫してしまったことに対する謝罪
  • 不倫はもう二度としないという約束
  • 慰謝料の金額、支払方法、支払期限
などを盛り込みます。
事前に示談書のテンプレートを用意しておき、それをメモ代わりに話を進めるのも良いでしょう。
示談書は慰謝料請求に関する契約書といっても過言ではありません。
一人で作成できるか不安な方は行政書士などのプロの力を借りるのも一つの手です。

相手が話し合いに応じなかった場合は内容証明郵便を

手紙やメールを送っても返信が来なかった場合、内容証明郵便を送ります。
内容証明郵便とは、郵便局が差出人の住所や名前、差し出し日付、宛名、宛先、手紙の内容などを証明してくれる郵便です。配達人が宅配便のように直接相手の家に送り届け、中身のコピーまで保管してくれるので、「そんな手紙は来ていない」「捨ててしまった」などの言い分を退けることができます。
「手紙は届いたけれども応じられない」という場合は、以下の交渉に持ち込むのも一つの方法です。

支払いに応じない場合は専門家に依頼する

慰謝料の支払いには応じられないけれども、話し合いはできる場合、専門家を同席させましょう。専門家を同席させることで、双方とも第三者の目を気にするようになり、話し合いがこじれにくくなります。また示談書の作成も依頼できれば、話し合いがまとまった際、契約書のサインまでの流れをスムーズに行えます。

慰謝料請求の際の注意点

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知っているだけで救われることもあります!

上記のケースで離婚した場合、慰謝料を請求できることが分かりました。
では、慰謝料を請求する前に、知っておきたいことは何でしょうか? 以下、慰謝料請求する際の注意点です。

(1)慰謝料請求には時効がある

慰謝料を請求できるのは離婚が成立してから3年以内です。3年経過してしまうと、時効となり請求できなくなってしまいます。ただし時効後も、支払者が「慰謝料を支払います」と宣言すれば、受け取ることは可能です。
慰謝料の時効に関しての解説はこちらをご覧ください。

(2)離婚後でも慰謝料は請求できる

慰謝料請求と聞くと、離婚時にするイメージですが、実は離婚後も請求できます。
しかし、離婚後となると「なぜ離婚時に慰謝料を請求しなかったのか」となり、離婚時よりも精神的苦痛は少ないと見なされ、請求できる金額は少なくなるケースが多いです。
そのため、1円でも多く慰謝料を請求したい方は、離婚前に話し合いましょう。

(3)未成年にも慰謝料請求はできる

不倫相手が未成年だった場合はどうなるのでしょうか?
実は未成年に対しても慰謝料を請求することはできます。
自己の責任を弁識する知能さえあれば誰に対してでも請求は可能です。
一般的に、「自己の責任を弁識する知能がある者」は12、13歳以上と考えられています。
ただしこの年代の人たちは働いていない可能性が高く、十分な収入がないため、両親が代わりに交渉することになります。

自分で解決するのが不安ならプロに相談しよう

慰謝料について分かりましたか?
慰謝料とは精神的苦痛を受けた場合の損害賠償のこと。
「これくらいのことで慰謝料を請求しても良いのかな」とお悩みの方もいますが、あなた自身が「辛い、苦しい」と思ったら慰謝料を請求することは決して悪いことではありません。
もちろん、証拠の有無などや状況によっては慰謝料請求できないケースもありますので、まずは専門家にご相談ください。
あなたの話を聞いた上で、専門家の見地から最適なご提案を致します。
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