一度離れてしまった心を修復させるのは非常に困難です。
相手が離婚を拒んだり、結婚生活を続けたいと主張しても、やはり前のような幸せな生活に戻れないというのが本音でしょう。
しかし離婚するにしても、裁判や調停ではなく2人が納得した形で関係を終わらせたいですよね。
こちらのページでは、離婚に応じてくれない妻を説得して協議離婚を成立させたケースと、離婚を拒む妻を説得するポイントを紹介します。
ケース①好きな人ができた相談者
相談者:30代男性
配偶者:妻、子供3人
相談内容
相談者は会社員のAさん。
職場に好きな人ができたため妻へ愛情が持てなくなりました。
浮気はしていないし、関係を持ちたいとも思わないが、このままでは妻に失礼だと離婚を決意しました。
妻に話をしたところ、子どもはどうすればいいのか、今後の生活は保障してくれるのかなど言いくるめられ、離婚を拒否され続けていました。
解決方法
何度か話し合いが持たれましたが、妻から明確な回答は得られませんでした。
妻とは婚姻生活を続ける意志はなく、離婚にあたって養育費などを支払う方向で話を進めました。
頑なに離婚を拒否していた妻でしたが、粘り強く交渉し、無事協議離婚成立となりました。
相手に離婚を認めてもらうために、条件を提示すると状況が好転する場合があります。
粘り強く交渉を続けましょう!
ケース②相手に離婚理由を伝える
相談者:30代男性
配偶者:妻、子供2人
相談内容
相談者は離婚に同意しない妻に困っているBさん。
結婚して10年。
Bさん夫婦は喧嘩が多く、2人の間にはいつも不穏な空気が流れていました。
2人は性格の不一致により、別居を決意。
1年ほど別居をしましたが、なぜか妻は離婚を拒否しました。
なぜ離婚に同意してくれないのか説明を求めても、よい反応は返ってきませんでした。
Bさんはどうすれば離婚できるのか悩んでいました。
解決方法
なぜ妻は離婚を受け入れてくれないのか……悩んだBさんは、友人に相談。
友人から妻に話を聞いてもらうことにしました。
そこで知り得た妻の本音は「はっきりした離婚理由を知りたい」とのことでした。
Bさんは離婚をしたいと伝えるだけで、本音を語ろうとしなかったのです。
確かに感情的に話をしてしまい理由を伝えていなかったそうです。
理由を知ったBさんは、感情的になる自分の気持ちを抑え、妻に伝わるように理論的に話をしました。
ようやく納得したBさんの妻は、離婚を承諾してくれました。
自分は気づいていないのかもしれませんが、感情的に話をしてしまい、相手に理由が伝わっていない場合があります。
落ち着いて理論的に話をしてみましょう。
ケース③相手側にまだ好意がある場合
相談者:40代男性
配偶者:妻、子供1人
相談内容
相談者は、妻と婚姻関係があるのにも関わらず、別の女性とお付き合いをしているCさん。
婚姻関係を清算しようと妻に話をしましたが、離婚は拒否されてしまいました。
子どもの生活のこともあったので、養育費や慰謝料を払うことも伝えました。
好条件を提示しつつ何度か話し合いをしましたが平行線。
Cさんは、どうすれば妻と離婚できるのか困っていました。
解決方法
妻側の意見としてはまだやり直せると思っているようで、離婚したくないと主張。
妻はまだCさんに好意を持っているようでした。
夫側は再婚禁止期間がないため離婚後に再婚するのが許せなかったようです。
Cさんは離婚成立後もすぐに結婚しないし、たとえ結婚しても養育費を支払うことも伝えました。
夫側の誠意を伝えることでようやく妻側は離婚に同意。
協議離婚が成立しました。
離婚に応じない妻を説得する10の方法
妻から離婚の同意を得るにはどうすればいい?
「離婚したい!」と思っているけれども妻が応じてくれない。
そうお悩みの方もいると思います。
ここでは、「離婚しよう」といっても首を縦に振ってくれない奥様たちを納得させる方法をご紹介します。
なぜ妻に離婚の同意を得なくてはならないのか
「離婚してくれ」と言っているのに、なぜ妻は離婚に応じてくれないのか。それは妻があなたの「離婚したい!」という思いに納得していないからです。
確かに離婚裁判を起こすのであれば、離婚理由(不貞、悪意の遺棄、3年以上の生死不明、回復の見込みがない精神疾患など法律上の離婚原因)さえあれば離婚はできます。
しかし費用や手間・時間などがかかるため、一般的な夫婦は裁判はせず、協議離婚(話し合い)で済ませます。
協議離婚をするには、お互いが合意の上で離婚しなくてはなりません。どちらか一方が離婚に同意しなければ、離婚届を作成することはできないからです(ちなみに相手の欄に勝手に記入して押印したら偽造罪となります)。
だから、まずは相手を説得して離婚に同意してもらう必要があります。
1.「言わなくても分かるだろう」、「察してくれ」とは思わない
奥様との話し合いがイヤで、つい「言わなくても分かるだろう」「俺の気持ちを察してくれ」と思ってしまう方もいます。
しかし妻側の気持ちとしては「なんで、きちんと話してくれないの?」。
万が一あなたの気持ちを察していたとしても、あなた自身の言葉で聞きたいのです。
まず逃げ腰になるのはやめて、正面から堂々と話を切り出しましょう。
そこからすべてが始まります。
2.離婚届を突きつける
ただ「離婚してほしい」といっても、妻は離婚に応じてくれません。
その本気度を見せつけるためにも、離婚届を目の前に提示しましょう。
もちろん、空白ではなく、あなたの部分は記入済み・押印済みのモノです。
単に「離婚してほしい」と言われるより、離婚届を突きつけられた方が、現実味が湧いてきます。そうなることで、妻もより真剣に離婚について考えるようになるでしょう。
3.なぜ離婚してくれないのか理由を聞き出す
離婚に応じてくれないということは、離婚をしたくない何かしらの理由があるということ。
「どうせ金だろ!」などと端から決めつけずに、まずは話を聞きましょう。
話を聞く姿勢をみせることで、相手も態度を軟化させる可能性が高いです。
また妻側の理由を聞くことで、あなたの考えにも変化が生じるかもしれません。
4.相手の要求を聞き入れる
もし妻が社会的な体裁にこだわっていたり、離婚することで敗北感を感じていたりするようでしたら、まず夫側が譲歩しましょう。
例えば「君が悪いわけじゃない、悪いのはすべて僕だ」「君なら離婚しても活躍できる」「すぐ再婚できる」とおだてれば、だんだん相手の機嫌もよくなり、離婚も一つの選択しかもしれない、と考えるようになるかも知れません。
ただし普段妻の言いなりの夫の場合、ここぞという時こそ強く出るのも一つの手です。
例えば、今まで妻の言うことには反論してこなかった夫が「何が何でも離婚したいんだ!」と強く要求を通せば、この人は本気かもしれない、と妻も考え直す可能性があります。
5.妻のタイプに応じて説得方法を変えてみる
あなたの奥様はどのような性格ですか?
可能であれば妻のタイプに合った対応をしましょう。
例えば、損得を重視するタイプならば離婚しても金銭的にはデメリットはないといったことを伝えましょう。
またあなたに対して奥様が愛情を感じているようであれば、自分は奥様のことをすでに愛していないということを伝えた方がいいかもしれません。
このように相手が何を重視しているかによって、説得のポイントを変えていきましょう。
6.離婚以外の要求をしてみる
例えば「離婚に応じてくれないのならば、もう○○はしない」など選択肢を与えてみましょう。
「離婚してくれ!」の一択の場合、NOを突きつけてきた相手も、複数の選択肢を出されると、より自分にメリットがあるものを選ぼうとするかもしれません。
また最初に大きな要求をして断らせたあと、申し訳ないという気持ちがある間に、本当に通したい要求をする「ドア・イン・ザ・フェイス」という説得方法もあります。
例えば、「離婚してくれ!」という要求を断られたら、「じゃあ、とりあえず別居しないか」と提案すると、奥さんも譲歩してくれる可能性が高まりやすいです。
そこから段階を追って離婚に向かって交渉するという考えもあります。
7.早口で話してみる
なかなか妻が折れてくれない場合、早口で話してみることを試してみてください。
いくつかの実験にて早口の人の方が相手を説得しやすいことが証明されています。
特に相手が理解できない専門的な話ほど早口で話した方がいいです。
ただし日本人の場合は、「落ち着いてゆっくり話す人の方が信頼できる」という実験結果も出ているので、細かな事柄は早口で、肝心要の部分はゆっくり話すのがいいでしょう。
※あくまで一般論ですので自己責任で判断してください。
8.いつもと同じように接する
話に応じてくれないからと攻撃的な態度を出すのはやめましょう。
「返報性の法則」というものがあり、こちらが攻撃的になると、相手も同じように攻撃的になります。
その結果、話し合いはこじれて、ますます態度を硬化させる可能性が高まります。
そうならないためにも、できる限り感情を抑えて、いつも通り接すること。
すると、相手も聞く耳を持ち、建設的な議論をすることができます。
9.ボディーランゲージで相手の本音を見極める
頑な奥さんも、もしかしたら何気ない素振りから本音をもらしているかもしれません。
せっかくのサインを見逃さないためにも、相手の仕草をしっかり見極めましょう。
以下、相手がどのように考えているか分かるボディーランゲージの一覧です。
ボディーランゲージ |
相手の本音 |
上半身が硬くなっている |
ウソをつこうとしている |
腕を組む |
興味がない、拒絶している |
上半身が硬くなっている |
ウソをつこうとしている |
髪をいじっている |
退屈、早く終わらせたい |
鼻を触る |
照れている、ウソをついている、隠し事がある |
口元を隠す |
言いたいことを言わないようにしている |
耳を触る |
もっと話を聞きたい |
あごを触る |
自分の方が優位に立っていると感じている |
足を強く組む |
警戒している |
上半身が硬くなっている |
ウソをつこうとしている |
10.話し合いの場に第三者を入れる
当事者同士での話し合いでは埒が明かない場合、中立な第三者を呼ぶのも一つの手です。
この場合、家族や友人など身近な人は絶対に呼んではいけません。
それぞれが感情的になってしまい、まとまる話もまとまらなくなってしまいます。
このような場合、話し合いの場に呼ぶべきは、行政書士や弁護士など離婚の専門家がいいでしょう。
どちらにも肩入れしない第三者が間に入ることによって、感情的にならず、スムーズに議論を進めることができます。
双方が納得した上で、新たな一歩を踏み出せる離婚をしましょう
まず対応策を知ることが重要
妻が離婚に応じてくれないときに使える10つの説得パターンは分かりましたか?
離婚は結婚同様、人生の一大イベント。
自分の一生を揺るがしかねない大きな事態です。
そのため、「離婚してくれ」と言われて、すぐに「はい」と応じる奥様の方が少ないでしょう。
「うちの妻は頑固だ」「これだからあいつは」と思わずに、奥様にも奥様なりの人生観や考えがあることを覚えておいてください。
妻側の理論もしっかり聞き、双方が納得した上で円満離婚を目指しましょう。