公正証書とは何?作成するメリットや注意点、作成方法を解説 | 慰謝料請求ホットライン

公正証書とは何?作成するメリットや注意点、作成方法を解説

法律に従い作成する公文書のことを「公正証書」といいます。不倫の慰謝料の請求をされた際に公正証書を作成することがあります。公正証書とは具体的にどのような効果を持つものなのでしょうか。
作成する際のポイントや、記載する条件の決め方などについてご紹介 するので、参考にしてみてください。

公正証書とは?

公正証書とは、公証役場と呼ばれる場所で作成する書類 であり、公証人が作成してくれる公文書のことをいいます。公証人は、大臣から任命を受けている法律に関する専門家です。

そのため、その公証人によって作成された内容は法的に間違いがなく、有効なものであると認められています。よって公文書はその性質柄、慰謝料を請求する立場にある人が主導して作成することが多いです。

しかし公正証書に記載されている誓約が特別な効果を持つわけではありません。仮に記載されている内容を反故にされたとしても、公証役場が直接何らかの罰則を科すことができるわけではありません。

公正証書の作成の際の注意点

公正証書の作成の際の注意点は 記載内容が法的に誤っていないかということ です。
公正証書を作成する際には示談書を原本とします。原本となる示談書の内容が無効なものや違法なものであった場合には内容を修正する必要があります。つまり公正証書に記載できる内容は、法的に矛盾がないものに限られます。
示談書自体は個人でも作成ができます。ただ、専門的な知識のない人が作成すると、記載内容が法律と矛盾してしまうことが多々ありますので注意が必要です。

公正証書を作成するメリット

公正証書を作成してくれるのは法律の専門家である公証人ということもあり、 確実な内容で間違いなく公文書を作成できる のが大きなメリットです。

また作成された公正証書の原本は法定の期間(原則20年間)公証役場で保管され、当事者には謄本が交付されます。そのため、偽造や紛失などの心配もありません。

自分の不倫が原因で慰謝料を請求されている側からすると、公文書の作成はデメリットしかないと考えてしまいがちですが、メリットもあります。例えば個人で示談書を作成した場合、本来であれば法律的にみて認められないような内容になっていることに気付けないこともあるでしょう。

示談書に書かれている内容に矛盾や有効性のない内容が含まれていないか確認してもらえればこのようなリスクも避けられるので、慰謝料を支払う側にとっても作成するメリットがあります。

理解しておきたいこと

不倫により慰謝料の債務を負い、公正証書を作成することになった方は、 慰謝料の支払いが滞った際に訴訟を通すことなく財産差し押さえの強制執行を受ける可能性がある ことを理解しておかなければなりません。

一般的に不倫に関する慰謝料の取り決めをする際には、和解書や契約書とも呼ばれる示談書作成することが多いです。しかし、示談書に記載されている内容通りに慰謝料の支払いがされなかったとしても、すぐに強制執行はできません。
この場合、慰謝料を受け取る立場にある人はまず裁判所に訴訟を起こし、支払いに関する判決をもらわなければならないのです。

一方、作成した公正証書に「支払いが滞った場合には強制執行ができる」という内容が記載されている場合、訴訟を挟むことなくすぐに強制執行ができます。つまり、裁判を通すことなくすぐに給与差し押さえ手続きの申し立てが行えるということ。
これは、慰謝料を受け取る立場にある人からすると大きなメリットでありますが、慰謝料の債務者にとってはデメリットになります。

実際に、示談書で慰謝料の支払いを分割で行うと取り決めていたにもかかわらず、途中で支払いが困難になるケースはあります。慰謝料を受け取る立場にある被害者の方は、そのような事態に備えるために公正証書を作成しています。

このことから、慰謝料の分割払いで問題が起きた時のことを考えて作成される公文書ともいえるので、示談成立後すぐに慰謝料を一括払いする場合は作成する必要はありません。

公正証書の作成手続き

一般的には次のような流れになります。

1.示談書の作成

まず示談書を作成し、当事者双方が書面と捺印をします。示談書に入れる内容は事案により変わりますが、一般的には慰謝料の金額の他に支払い期日、支払い方法、今回のトラブルが起きたことに関して新たに取り決めた約束事などが記載されます。ここで作成する示談書が公正証書の原案として使われることになります。

2.書類を作成する公証役場と公正証書の署名捺印予定日を決める

直接交渉役場に出向いてもその場ですぐに証書を作成してもらうことはできないため、事前に電話で予約を入れます。この時、署名捺印の希望日を伝えるので、あらかじめ都合の良い日時を当事者で話し合って決めておきましょう。予約が埋まっていることもあるので、複数候補を用意しておくのがおすすめです。

3.公証役場に必要書類をFAXで送る

電話で予約が済んだら、必要書類について伝えられます。何が必要かについては後ほどご紹介しますが、指定の書類をFAX、または添付ファイルとしてメールで送信しましょう。直接公証役場に持参することもできます。

4.作成された証書の確認

必要書類を受け取った公証人が公正証書の案文を作成し、当事者に対してFAXまたはメールで送ります。内容を当事者でそれぞれ確認し、問題がないか確認しましょう。その上で諾否を公証人に伝えます。

5.公証役場で署名と捺印

事前に取り決めておいた予約日に公証役場へ出向きます。なお、当事者双方が出向く方法のほか、一方が代理人を立てることも可能です。ただし、その場合は必要な書類も異なるので、後ほどご紹介する必要なものに関する項目もよく確認してみてください。

交渉役所では当事者双方、または代理人が署名と捺印をします。あとは証書が完成した際に現金で作成費用を支払って終了です。

公正証書に記載する条件の決め方

当事者で話し合いをしながら決めていくのが一般的ですが、次のような内容を入れることになります。

不倫相手との今後の関わり方に関すること

今後は相手とは一切関係を持たないことを約束する内容 を入れます。直接会わないのはもちろんのこと、電話やメール、LINE、SNSなどでのやりとりもすべて禁止する条件を入れるのが一般的です。ただし、浮気相手が同じ職場にいる場合、業務を行う上でやりとりが必要になるケースもあるため、「業務上やむを得ない場合のみ認め、私的な連絡は一切しない」などの条件に変更してもらわなければなりません。

ここで気をつけておきたいのが、どこまでが認められる範囲内かパートナーとの間で認識のズレがないようにするということです。例えば、浮気相手が同じ職場であるケースで仕事に関連するやりとりについては認めてもらっていたとします。しかし、職場を離れて、外で二人で食事をしながら仕事の打ち合わせをしていた場合はどうでしょうか。

いくらこちらが「事前に認めてもらっていた仕事関係の打ち合わせだ」といっても、パートナーが「外で二人で食事をするのなら、それはプライベートのデートと同じだ」と考え、約束に反する行為と判断してしまうこともあるはずです。

例え仕事に関する内容だったとしても外で二人きりで会うのはNG、社内で行う打ち合わせならOKなど、具体的なところまでよく話し合いをしておかなければなりません。

慰謝料に関すること

具体的な慰謝料の金額についても記載しておく必要がありますが、 被害者の希望する金額を必ずしも承諾しなければならないわけではありません 。条件の決め方の基本は、現実的に支払いが可能な金額であること、また不相応といえるような高額ではないことの2点です。

そのため金額を考える際には、相場を1つの参考にしましょう。

夫婦関係を継続する場合に支払う慰謝料の相場は50万円~100万円ですが、不倫が原因で別居することになったのなら100万円~200万円が相場になります。更には不倫が原因で離婚することになった場合には200万円~500万円が相場です。

パートナーが怒りからこの相場を大幅に上回るような金額を請求してくる可能性もありますが、そもそも支払いができないような高額の慰謝料を定められた場合には実行不能な約束だったとして約束自体か無効になる可能性もゼロではありません。

また、公正証書を作成する際にその金額では認められないと言われる可能性も高いので、あくまで相場の範囲内で慰謝料の金額を検討していくことが大切です。これは減額交渉をする場合も同じことがいえます。

清算条項に関すること

慰謝料を支払う側にある人が忘れずに定めておきたいのが、「清算条項」と呼ばれるものです。これは一度話し合いがまとまってから 再度同じ不倫の話題を持ち出し、追加の慰謝料を請求されるのを防ぐ取り決めのこと をいいます。

例えば、200万円の慰謝料を支払うことに納得し、その内容で示談書を作成したとしましょう。ですがあとから「そういえば、あんなことでも傷ついた」「こんなこともストレスを感じた」と、慰謝料を追加で100万円支払ってほしいと請求されてしまうケースも珍しくありません。

示談書の中に清算条項を入れておくだけでももちろん効果的なのですが、清算条項の内容が曖昧だったり、別の意味で受け取れたりする場合にはそこをうまく利用されてしまうこともあります。

個人で作る示談書とは異なり、公正証書は専門家が確認したうえで作成してくれるので、清算条項の内容が間違っていないか、おかしいところはないかしっかりチェックしてもらうことが可能です。
清算条項に関することは必ず入れておきましょう。

公証役場はどこにある?

公証役場は全国に300ヶ所ほどあり、一覧については日本公証人連合会のホームページで確認ができます。

このうち、どの公証役場でも公正証書の作成が可能です。例えば必ずしも自宅住所に近い公証役場を選ぶ必要はありません。勤務先の近くにある公証役場ある場合などは、都合の良い方を選びましょう。

ただしあまり遠いところを選択してしまうと、実際に足を運ぶ必要がある際に不便なので、生活圏内にある公証役場を選択するのが一般的です。なお、どの公証役場にも最低1人以上の公証人がいて公証人の人数は公証役場の規模によってさまざまです。

公証役場の数は地域によって異なります。例えば東京都の場合は45箇所(2020年2月時点)の公証役場がありますが、県内に2箇所しかない地域もあるのです
なお公証役場は、国の役所ではあるものの市区役所とは別物なので、勘違いしないようにしましょう。開庁時間は平日の9時から17時頃までとなっています。

公証役場に行く際に準備すべきもの

実際に公正証書を作成する際に必要なものは、当事者双方が公証役場に赴くのか、または一方が代理人を選任するのかによって異なります。

まず、電話で予約を入れる際に必要なものからご紹介しましょう。

予約時に用意すべきもの

当事者双方で公証役場に出向く場合は、次の書類が必要です。

  • 当事者双方の署名・捺印がある示談書
  • 当事者双方の身分証明書

一方が代理人を選任する場合は、以下の書類を用意しましょう。

  • 当事者双方の署名・捺印がある示談書
  • 委任状
  • 公証役場に出向く当事者と代理人の身分証明書
  • 代理人を選定した当事者の身分証明書

当事者双方で用意しなければならないものがあるため、どちらか一方のみの希望だけで公正証書を作成することはできません。両方が作成を認めなければならないのです。

予約当日に用意すべきもの

予約当日になったら公証役場へ出向き署名と捺印をします。次のものを持っていきましょう。

まず、当事者双方で出向き、署名と捺印をする場合についてです。

  • 当事者双方の署名・捺印がある示談書
  • 当事者双方の身分証明書
  • 当事者双方の印鑑

続いて一方が代理人を選任する場合に準備すべきものについてです。

  • 当事者双方が署名・捺印した示談書と委任状
  • 公証役場に出向く当事者と代理人の身分証明書
  • 代理人を選任した当事者の印鑑登録証明書
  • 公証役場に出向く当事者と代理人の印鑑

いずれの場合も示談書や委任状、身分証明書は原本を用意します。コピーしたものでは認められないので注意しておきましょう。また上記にあるように、代理人を選定した場合の当事者の身分証明書は、印鑑登録証明書に限定されるので注意が必要です。

運転免許証やパスポートを身分証明書として使う場合は認印で良いのですが、印鑑証明の場合は実印が必要なのでこの点も気を付けなければなりません。

書類の作成は有料

書類を作成する際には5,000円からの利用料を支払わなければなりません 。金額は目的の価額(慰謝料や養育費など)によって以下のように定められています。

目的の価額 手数料
100万円以下 5,000円
100万円を超え200万円以下 7,000円
200万円を超え500万円以下 11,000円
500万円を超え1000万円以下 17,000円

この費用について、どちらが支払うかについては自由に取り決めることができます。双方で半分ずつ負担するケースもあれば、不倫した側など示談の原因を作った人が全額負担するケースも多いです。手数料の支払いについてもめそうだと感じているのなら、このあたりも示談書を作成する際に取り決めておいたほうが良いでしょう。

専門家に相談してから作成するのがおすすめ

気を付けておかなければならないのが、公証役場は不倫の慰謝料問題専門ではなく、なおかつ中立的な立場であるためこちらに有利な条件で公正証書を作成してくれるわけではないということ。
ご自身がが納得できる示談書を作成したいと考えているのなら、まずは法律の専門家に公正証書の原案となる示談書の作成を依頼するのがおすすめ です。
当無料相談窓口でも示談書の作成を承っています。ご相談に関しては24時間365日無料で承っておりますのでお気軽にご連絡ください。

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