未成年者と不貞行為を行った場合のリスクや慰謝料の支払義務について解説します。未成年者との不倫には刑事罰・民事責任に問われるなどのリスクがありますが、さらに慰謝料の請求を受ける危険性も孕みます。リスクや請求され得る慰謝料の相場などについて知り、万が一不倫が発覚した場合は、慎重に対処を行ってください。
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未成年者との不倫は次の2つのリスクを孕みます。
未成年者との不貞行為は刑事罰の対象行為です。18歳未満の未成年者と不倫をすると、各都道府県が定める青少年保護育成条例に基づき処罰される可能性があるだけでなく、淫行についても児童福祉法により処罰されます。単なる不倫ではなく、刑法に反する犯罪であると判断される行為であることから、成人との不倫と比較し高いリスクを孕んでいます。
未成年者と不貞行為を行うと、民事責任を問われることもあります。社会経験が浅い若年者と肉体関係を伴う交際を行った場合、例え同意を得ていたとしても、未成年者に対し、損害賠償責任を問われかねません。不貞行為自体が損害賠償責任に問われる行為でありますが、負うべき民事的責任は未成年者に対する方が重くなることでしょう。
未成年者の年齢により、配偶者は慰謝料請求が可能です。請求のための詳細な要件について解説します。
不倫相手が未成年であっても、慰謝料を請求することができます。自分の行為について理解する能力を有している場合は請求が認められますが、一般的には12歳前後で自身の行為を理解する能力を有していると判断されることが多いようです。基本的には、未成年者であっても不倫の慰謝料を請求できると考えられます。
不倫相手の親に慰謝料を請求することはできません。本人に自分の行為について理解できる能力がある場合、本人に対してのみ請求が行なえますが、例外的に親が慰謝料を支払うと申し出た場合と、本人に自分の行為について理解する能力がない場合は、親に慰謝料を請求できる可能性もあります。基本は不倫相手の親に慰謝料請求は行えませんが、例外的なケースでは認められると考えられています。
未成年者との不倫で請求され得る慰謝料の相場を解説します。
不倫による慰謝料は50~300万円が相場です。不倫相手が未成年者の場合も同様となりますが、具体的な金額は個々の事情が加味されます。よって、相手が未成年だったとしても、その他の事情を鑑み、相場である50~300万円の範囲内で妥当だと判断される金額の請求が認められるでしょう。
慰謝料の金額に影響を与える代表的な要素は次のとおりです。
・不倫前の夫婦関係
・不倫発覚後の夫婦関係
・不倫期間
・婚姻期間
・不倫発覚後の対応
一般的に不倫前の夫婦関係が良好であった場合、不倫が原因で離婚や別居に至った場合、不倫期間と婚姻期間が長期に渡る場合、不倫発覚後に不誠実な対応を行った場合は慰謝料が高額になります。また、未成年の子供の有無や支払者の収入や社会的地位なども影響を与える要素です。
未成年者との不倫が発覚した場合、まず行うべき行動は次のようになります。
未成年である相手の年齢を確認してください。青少年保護育成条例では、相手が18歳未満と認識できなかった場合(過失)でも処罰される可能性があることから、相手の年齢を確認しなければ今後の対応を誤ってしまうことに繋がるためです。
慰謝料の支払義務を確認することも必要です。慰謝料の請求を受けたとしても、不倫前に夫婦関係が破綻していた場合や、肉体関係を伴わなかった場合は、一般的に慰謝料の支払義務が生じません。交際開始から現在までの状況を整理し、慰謝料し払い義務の有無を判断してください。
慰謝料請求金額の妥当性も確認するべき事項です。前述の通り、慰謝料にはある程度の相場が存在していることから、請求金額が相場を超過しているときは、交渉により減額できるケースも少なくありません。減額交渉の必要性を判断するため、請求金額の妥当性を判断しましょう。
未成年者と不貞行為を行った事実があるなら、法律の専門家に相談し、解決策を仰ぐことが欠かせません。不貞行為は刑事罰・民事責任・慰謝料請求の対象となる行為ですが、未成年の不倫相手が自分の行った行為について理解できる場合は、不倫相手も支払いの責任を負います。まずは法律の専門家に相談し、慰謝料の支払義務や請求金額の妥当性に関して客観的視点からの判断を仰ぎ、現在の状況を踏まえた上での、適切な解決法を知ることが重要です。