海外滞在中の不倫で慰謝料を請求された事例を基に、適用され得る法律や支払義務に関して解説します。海外で行われた不倫には日本の法律は適用されず、対象国の法律が適用となることから、慰謝料支払義務が生じない可能性もあります。ただし、必ずしも支払義務が生じないわけではないことから、法律の専門家の無料相談窓口に相談することが欠かせません。
目次
海外滞在中の不倫に関するご相談の経緯をご紹介します。
ご相談者様は、海外滞在中に単身赴任しているBさん(男性・40代)と不倫をした30代独身女性のAさんです。ご相談者様はBさんと食事などを重ねているうちに惹かれ、不倫関係に陥ったとのこと。Bさんと日本で会ったことはないそうです。海外滞在中の出来事なのでトラブルに発展することはないと思っていたところ、Bさんの妻から慰謝料を請求されて相談に至りました。Aさんは、海外での出来事なのでBさんの妻に知られることなないと思っていたそうです。
今回の事例の解決方法について見ていきましょう。
AさんはBさんの妻に海外で起きた不倫なので、準拠法は現地の法律になることを説明しました。準拠法とは、ある事柄に適用されるその事柄の基準となる法であり、今回のケースでは、「どこの国の法律で判断するか」と考えるとわかりやすいでしょう。現地の法律だと不倫相手に慰謝料を請求することはできないので、Aさんに慰謝料を支払う義務はないと考えられます。以上の説明を受け、Bさんの妻は慰謝料の請求を取り下げました。
結果的にご相談者様であるAさんは、慰謝料の支払いを免れました。日本であれば不倫相手であるAさんも慰謝料を払わなければならないと考えられるケースですが、現地の法律が適用されるためAさんは慰謝料を払わずにトラブルを解決できました。海外滞在中の不倫で慰謝料を請求された方は、どの国の法律に従い判断するかを確かめることが重要です。
海外滞在中の不倫では、日本の法律は適用されません。海外滞在中の不倫においては、どの国の法律で判断するかが重要な意味を持ちます。
Aさんのようなケースであれば、日本の法律は適用されません。加害行為が発生した地、つまり不倫した場所の法律が適用されると考えられます。
必ずしも慰謝料を払わずトラブルを解決できるとは限りません。海外では不倫相手に慰謝料を請求できないケースが多いといわれていますが、すべての国や地域において支払義務が生じないとなっているわけではないことから、現地の法律に従い判断するだけであり、慰謝料を払わなくてよいとするものではないためです。日本と同様に不倫相手が慰謝料を支払わなければならない国や地域もあると考えられることから、個々の状況に応じた判断が必要になります。
基本的に、海外滞在中の不倫は現地の法律が適用されると考えられることから、慰謝料を請求された場合、現地の法律の専門家への相談することが必要となります。支払義務の有無、請求金額の妥当性などを国単位で検討する必要がありますが、判断のためには法律の知識が必要です。海外滞在中の不倫で慰謝料を請求された方は、まずは法律の専門家に相談して対処法を探りましょう。