不倫による慰謝料請求権は相続されるため、相続人がいれば相続人との交渉が必要となります。
判例上、不倫に限らず精神的苦痛をこうむった場合の慰謝料請求権は、受取人の死亡により当然に相続人に相続されるとされています。したがって、受取人に子どもや親、兄弟などがいる場合には相続人となる者に慰謝料を支払わなければなりません。なお、相続人がまったくいない場合には、事実上慰謝料を請求されることはないといってよいでしょう。
受取人の生前に慰謝料の金額について合意されているのであれば、合意された金額を相続人に支払います。慰謝料額の合意前に受取人が死亡した場合には、相続人から慰謝料の請求を受けたら相続人との間で示談交渉をすることになります。ただし、相続人は不倫に関する事情をくわしくは知らないため交渉が難航する可能性があります。
慰謝料の受取人が死亡した場合には、相続人から支払いを求められることを覚悟しておく必要があります。もっとも、相続人が複数いる場合には遺産分割が確定しないと誰が相続人かわかりません。このため、請求されたらすぐに支払うのではなく相続人が法的に確定しているのかを十分に確認することも大切です。相続人との交渉に不安がある方は、法律の専門家の無料相談窓口に相談してください。