不倫の慰謝料請求において訴訟へと発展する可能性について、相談事例を用いて解説します。不倫の慰謝料請求で裁判を起こされると、自宅へ訴状が届くため家族などに隠すことは困難となります。不倫慰謝料問題で訴訟へと発展する可能性は低いと考えられますが、万が一に備え、今回の事例から適切な対処法を学びましょう。
ご相談の経緯についてご紹介します。
ご相談者様は、会社の上司と約1年間にわたり不倫をしていた20代・独身女性です。相手配偶者に不倫の事実が知られ、依頼した弁護士を経由して慰謝料請求の内容証明郵便が届いたとのこと。ご相談者様は自分の非を認めているため、不倫関係を解消したうえで、誠心誠意をもって謝罪をした上で、男性と今後は会わないことも誓約し、減額交渉を進めていました。最も気にしている点は、話し合いがまとまらず裁判を起こされると両親や会社に不倫していたことを知られてしまうのではないかということ。このような経緯で相談に至りました。
ご相談者様の疑問は、「話し合いがまとまらなければ、裁判に発展してしまうか」です。ご相談者様が疑問を抱いた理由は、慰謝料を支払う意思はあったものの、金銭的な理由から減額交渉をしてしまったため。素直に相手の求めに応じなかったことから、裁判に発展するのではないかと考えたようです。謝罪や男性に合わない約束はしたものの、「相手を怒らせてしまったのではないか」「交渉は決裂したのではないか」などが気になっているようですが、慰謝料の減額などを求めた場合、裁判を起こされる可能性は高いのでしょうか。
裁判に至る可能性は高くない傾向にあるようです。
不倫慰謝料問題で裁判に至る事案は全体と比較してあまり多くない傾向にあり、多くは、示談で解決されています。
減額を要求したからといって、裁判に発展する可能性が大幅に高まるわけではありません。裁判は相手にとってもリスクのある行為でることから、不倫慰謝料請求のほとんどは、裁判に至らず話し合いで解決しています。裁判は話し合いよりも費用・労力・時間がかかるうえに、不貞行為を立証するための証拠なども必要になります。気軽に起こせるものではないことから、慰謝料を請求する側もできれば話し合いで解決したいと考えていることが多いようです。誠心誠意をもって謝罪し、妥当な慰謝料の金額を提示していけば、裁判を起こされる可能性は低いといえるでしょう。ただし、相手の中には要求に応じなければ裁判を起こすといった強硬な方もいるため、相手の交渉姿勢などを見ながら対応していくことが重要です。
以上の通り、慰謝料の減額交渉により裁判へと発展する可能性が高まるわけではありません。誠心誠意謝罪し、妥当な慰謝料の金額を提示しているのであれば、心配しすぎる必要はないでしょう。しかし慰謝料の請求を受けた際には、支払義務の有無、請求金額の妥当性などを考えなければならず、判断や減額交渉には法律の知識が必要です。不倫慰謝料でお困りの方は、法律の専門家に相談したうえで最適な解決法を模索しましょう。