慰謝料請求に対して口約束で合意してしまった事例を用い、その後の適切な対処法について解説します。録音された口約束を撤回することは困難ですが、不可能ではありません。もし理不尽な請求に対し口約束で合意してしまったなら、法律の専門家の無料相談窓口に相談をし、慎重に対処することが求められます。
目次
ご相談の経緯についてご紹介します。
ご相談者様は、出会い系サイトで知り合った男性と、1年間、不倫を続けていた20代・独身女性です。日常通りに生活していると、交際相手の妻が突然自宅へ押しかけ慰謝料300万円と調査費用150万円、合計450万円を請求してきたとのこと。予想もしていなかった出来事と相手の勢いに動揺してしまい、その場で支払いを口約束してしまいました。しかも、口約束を録音されたとのことで、解決法を知るためにご相談に来られたという経緯です。
ご相談者様の疑問は、「録音された口約束を撤回できるか」です。ご自身の非は認めているものの、450万円は高額すぎるため口約束を撤回したいと考えています。相手に録音された口約束を撤回することはできるのでしょうか。
口約束は有効です。撤回は難しいが、交渉する余地はあります。
慰謝料支払いについて交わした口約束の撤回について詳しく見ていきましょう。
口約束でも契約は成立します。口約束で契約は成立しないと思われがちですが、書面として残されていなくても、約束を破棄させることは難しいといえます。
録音された口約束は、事実を証明するものになります。基本的に証拠になると考えられますが、録音されたすべての口約束が証拠になるわけではありません。
録音されている口約束そのものを撤回することは難しいといえます。しかし、交渉の余地がないわけではありません。口約束を録音されていたとしても、交渉によっては慰謝料の金額を減額することは可能であるため、まずは減額交渉を試みるべきといえるでしょう。
相手に口約束をしてしまった場合、次のように対処してください。
慰謝料の支払いを口約束した方は、冷静になって状況を整理しましょう。例えば、肉体関係をほとんどもっていない、不倫していた期間が短いなどの事情があれば、慰謝料の減額交渉を進められるかもしれません。冷静に現在の状況を把握することで、解決策が見えてくることがあります。
併せて行いたいのが、請求されている慰謝料の金額の確認です。不倫慰謝料の相場は50~300万円程度とされており、相場を大きく超える場合は減額交渉を進めやすくなります。請求金額の妥当性を確認し、相場を目安に交渉を進めるとよいでしょう。
反省し、真摯に謝罪することも重要です。不倫された側は、怒りで判断力を失っていることが少なくないため、怒りをおさめなければ、話し合いにすらならないこともあります。謝罪したうえで真摯に対応することで、相手の怒りを抑えられるかもしれません。
慰謝料請求に対し口約束で合意してしまったなら、法律の専門家に相談するべきです。口約束でも契約は成立するうえ、録音された口約束は事実証明になります。慰謝料を請求されたときは、安易に口約束しないことが重要ですが、すでに口約束してしまった方は、可能な限り早く法律の専門家に相談しましょう。慰謝料支払いの義務や請求金額の妥当性を判断するために法律の知識が必要になるためです。法律の専門家に相談したうえで、最適な解決方法を検討してみてはいかがでしょうか。