子どもを授かれないことは、深刻な悩みになりえます。深く悩んでいる場合、知人の既婚男性などに精子の提供を依頼したくなることがあるかもしれません。女性が、妻の許可を取っていない既婚男性から精子の提供を受けて人工授精した場合、不貞行為に当たるのでしょうか。このページでは、人工授精と不貞行為について解説いたします。
人工授精と不貞行為について以下のように考えられます。
不貞行為とは、既婚者が自由な意思で配偶者以外と肉体関係をもつことです。不貞行為に及んだ場合、被害者に慰謝料請求権が発生します。不貞行為が、被害者の平和な婚姻共同生活を維持する権利または法律上保護される利益を侵害する不法行為だからです。
既婚男性が妻の許可なく人工授精に協力することは、不貞行為と異なる要素があると考えられています。しかし、過去の裁判で不法行為に当たると認められています。不法行為に当たると認められた理由は、婚外子を授かる可能性のある行為(人工授精)が、男性の妻の平和な婚姻共同生活を維持する権利を侵害する行為と考えられたからです。過去の裁判では、不貞行為に等しいか、これを超える大きな苦痛が生じたとして、人工授精に協力した男性の妻の慰謝料請求を認めています。
肉体関係をもたないため、既婚男性が人工授精に協力することは不貞行為と異なる要素があると考えらえています。しかし、婚外子を授かる行為は、妻の権利を侵害する不法行為に当たります。妻の許可を取っていない男性から精子の提供を受けると、慰謝料請求を認められる恐れがあります。不安を感じる方は、まずは法律の専門家の無料相談窓口に相談しましょう。