夫婦関係破綻後の浮気でも慰謝料を支払わなければならない? - 慰謝料請求ホットライン

夫婦関係破綻後の浮気でも慰謝料を支払わなければならない?

夫婦関係破綻後の浮気で、慰謝料を請求された場合の支払義務と対処法について解説します。夫婦関係破綻後の浮気では、基本的に慰謝料をしはらう義務は生じませんが、まず「夫婦関係の破綻」の定義について知っておくことが重要です。関係が破綻していると判断される要件や支払義務の有無に関する知識を深め、適切な対処を行っていきましょう。 

夫婦関係が破綻しているとはどんな状況?

「夫婦関係の破綻」の定義について解説します。 

夫婦関係を継続できない状態

夫婦関係の破綻とは、婚姻関係継続の意思がなく、関係修復が困難である状態です。2つの状態に該当する場合が「婚姻関係の破綻」だと判断されますが、夫婦間の感情ではなく、主に客観的な事実により判断されます。 

夫婦関係の破綻を判断するポイント

夫婦関係が破綻しているか否かは以下に基づき判断されます。 

別居している・別居していない

別居している場合は夫婦関係の破綻を認められやすくなります。しかし、別居していれば夫婦関係が破綻しているとは言えず、法的な判断では「別居の理由」が大きな意味を持ちます。例えば、双方が離婚に合意し条件を調整するため別居している場合などは、夫婦関係の破綻が認められやすいと考えられますが、単身赴任などの理由があり別居している場合は、夫婦関係の破綻を認められにくいと考えられます。また、別居期間も影響を与える要件です。別居期間が長いほど夫婦関係の破綻は認められやすくなりますが、個々の状況により判断されるため、一概に何年以上とは言えません。一般的には、5年以上必要とされており、5年以上に渡り特別な理由なく別居しているなら、関係修復は困難であると判断されやすくなります。 

家庭内別居

家庭内別居している場合も、夫婦関係の破綻を認められる可能性があります。例えば、共同生活を営んでいるものの、顔を会わせることなくそれぞれが自分の生活費を負担している場合などは、夫婦関係の破綻を認められやすい状況です。ただし、家庭内のことであるため、判断されるための要件ではあるものの、事実として立証することは容易ではありません。 

離婚に向けた話し合い

離婚協議中であれば、夫婦関係が破綻していると判断されやすくなります。夫婦のどちらかが離婚の意思を伝えるだけでなく、財産分与や養育費の支払いなど具体的な協議を進めていることが求められます。離婚に向けた具体的な進展があるほど、夫婦関係の破綻は認められやすいといえるでしょう。 

絶対的な条件はない 

夫婦関係の破綻は個別の事情に基づき判断されることから、絶対的な条件はありません。お話したように「別居」「家庭内別居」「離婚協議」は重要な要素ですが、その他の詳細な条件も加味して判断されるため絶対的なものではなく、すでに夫婦関係が破綻していると自己判断することは危険です。 

夫婦関係が破綻後の浮気は慰謝料請求の対象になるの?

夫婦関係破綻後の浮気は、慰謝料請求の対象になりません。夫婦関係の破綻により法律で保護するべき夫婦関係が失われていることから、慰謝料を請求されても支払う必要はないと考えられます。結婚している男女は、平穏な夫婦生活を送る権利を有し、浮気や不倫はこの権利を侵害するため慰謝料請求の対象とされていますが、夫婦生活が破綻している場合は、平穏な夫婦生活を送る権利がすでに失われています。すなわち、慰謝料請求の対象ではありません。 

夫婦関係が破綻後に浮気で慰謝料請求された場合の対処法

夫婦関係破綻後に行った浮気で慰謝料を請求された場合、次のように対処してください。 

浮気した時期と夫婦関係が破綻した時期を確認

夫婦関係が破綻した時期と浮気の時期を確認しましょう。夫婦関係破綻前から浮気をしていたなら、浮気が夫婦関係破綻の原因であると認められ、慰謝料の支払義務が生じますが、夫婦関係破綻後に浮気を開始していた場合は、浮気が夫婦関係破綻の原因であるとは言えません。 

浮気相手との関係性を確認

まずは浮気相手との関係性がどうであったかを確認してください。浮気相手と2人で外出をする、手をつなぐ、キスをするなどに留まり、肉体関係を持っていないならば、慰謝料の支払義務は生じないと考えられます。ただし、性交類似行為(オーラルセックス、手淫など)をしていた場合や、不倫相手と非常に親密な関係を築いたことで夫婦関係が破綻したと考えられる場合は、慰謝料の支払い義務が認められる可能性もあるでしょう。以上のことを考慮し、慰謝料の支払い義務が生じる関係性であったか否かについて確認します。 

夫婦関係を確認

夫婦関係を確認し、破綻していたか否かを判断してください。浮気開始以前に、離婚に向けた具体的な協議を行っていた、特別な事情のない別居を始めてから5年以上経っていたなど、夫婦関係が破綻していたと考えられる場合、慰謝料の支払義務は生じない可能性があります。ただし絶対的な条件ではないため、法律の専門家に相談し、客観的な状況判断を仰ぐことが得策です。客観的判断も交えながら、夫婦の関係性について確認しましょう。 

浮気の証拠を確認

慰謝料の請求を受けたら、相手が所持する浮気の証拠を明確にしましょう。裁判へと進んだ場合、慰謝料を請求する側が不貞行為を証明しなければならず、事実を立証できなければ請求は認められません。証拠として認められるのは、行為に及んでいる写真、ラブホテルに出入りする写真、ラブホテルの領収書、肉体関係をもっていたと推測できるメールなどです。今後の対応を適切に行っていくためには、相手の証拠を確認することは重要です 

請求されている慰謝料の金額を確認

慰謝料の請求金額を確認し、妥当性を調べましょう。浮気による慰謝料の相場は50~300万円程度といわれていますが、実際の請求金額は個々の事情に基づき決定されるため、相場には250万円もの幅が生じています。一般的に、浮気で離婚や別居に至ると慰謝料は高額になりやすいと考えられますが、浮気期間の長さ、婚姻期間の長さ、収入、小さな子どもの有無なども影響を与える要件です。自身の状況に応じた相場を調べた上で妥当性を判断し、請求額が高額である場合は減額に向けて交渉する必要があります。 

夫婦関係破綻後の浮気で慰謝料を請求されたら法律の専門家へ相談

夫婦関係破綻後の浮気で慰謝料を請求されたら、法律の専門家に相談しましょう。夫婦関係破綻といえる状態だったのか、浮気が不貞行為に該当するのか、請求されている慰謝料の金額は妥当かなどを確認しなければなりませんが、正確に判断するためには専門的な法律の知識が必要です。法律の専門家に相談することは、現在置かれている状況を客観的視点から確認することに役立つだけでなく、最も適した解決策を検討するために有用です。 

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