慰謝料が支払えないシングルマザーの方に向け、まずとるべき行動と適切な対処法について解説します。
シングルマザーで不倫慰謝料の請求を受けると、支払いが困難であることが少なくありませんが、適切な対応をとることにより支払いの負担を軽減させられる可能性もあります。
また、状況により減額が実現するケースもあるため、不倫の慰謝料についての知識を深めてから、慎重に対応していきましょう。
目次
慰謝料の支払義務が生じる要件は、故意及び過失のある不貞行為で夫婦の権利を侵害することです。
不貞行為とは、婚姻・内縁・婚約関係にある人物が、パートナー以外の異性と性的関係を伴う交際を行うことであり、「パートナー以外の異性と性的関係をもたない」とする「貞操義務」に反する行為です。
貞操義務に反する行為は不法行為であるとされますが、故意もしくは過失により行われた場合のみ、不法行為と判断されます。
不倫による慰謝料の支払義務は、「故意」もしくは「過失」により「不貞行為」を行い「貞操義務」に反した際に発生します。
慰謝料請求が行われる流れは次のとおりです。
1.示談交渉
2.示談成立/示談不成立
3.裁判/請求の辞退
4.判決
不倫の慰謝料請求は、多くの場合で示談交渉から始まり、示談が成立すれば双方が合意した請求金額で慰謝料の支払いを行うことになりますが、示談が不成立となった場合は、裁判もしくは請求の辞退へと進みます。
裁判へと進んだ場合は、判決により認められた慰謝料の金額を支払うという流れです。
裁判において慰謝料の減額要因となり得る事項は次のとおりです。
・不貞行為に及んだ期間が短く回数が少ない
・相手夫婦の婚姻歴が短い
・相手夫婦が離婚・別居をしない
・不倫相手の方が交際の主導権を握っていた
不貞行為に及んだ期間や回数は慰謝料の金額に影響を及ぼし、期間が短く、回数が少ないほど減額される可能性が高まります。
相手夫婦の婚姻歴が短い、不倫発覚後も離婚・別居が行われないなど、相手夫婦の状況や今後の関係性も減額要因のひとつです。
また、不倫相手の方から積極的に交際を求めたなど、交際の主導権を相手が握っていた場合も減額され得る要因となります。
不倫の慰謝料を請求されたものの支払えないシングルマザーの方は、まず次のような対応をとってください。
まずは請求者に対し誠実に謝罪をし、考えるための時間をもらうようにします。
今後の対処法や支払方法について考えるためには時間が必要となるため、請求を受けたとしてもすぐに回答せず、まずは請求者に対し謝罪を行ってからじっくりと考えるようにしてください。
不倫交際の相手が慰謝料を支払っているか否か、状況を確認することも重要です。
配偶者がすでに請求者に対し十分な慰謝料を支払っているのであれば、請求者の精神的苦痛を補う損害賠償の支払いは済んでいると考えられるため、支払う必要性がなくなることも考えられます。
ただし、請求者から不倫相手に「連絡をしないように」と忠告を受けている場合は、無理に確認することは避けたほうが良いでしょう。
安易に示談書・合意書に署名や捺印を行わないように注意してください。
慰謝料請求に係る書面に署名や捺印を行うと、書面に記載されている内容で請求が決定されてしまう可能性があり、後の撤回も非常に困難となります。
また、事実とは異なることを認めるよう強要された場合も、決して認めてはいけません。
書面に記載された内容に全面的に合意しない限りは、署名や捺印は絶対に行わないようにしましょう。
慰謝料に関して専門的見解を仰ぐため、法律の専門家の無料相談窓口に相談することも有効です。
法律の専門家の無料相談窓口では、慰謝料の支払義務の有無、請求金額の妥当性などについて、法的な視点から判断してもらうことができます。
また、今後の適切な解決方法についての知識も得られるため、法律の専門家の無料相談窓口を積極的に活用し、適切な対応を知った上で行動しましょう。
シングルマザーが自分自身で請求者と交渉する場合の注意点は次のとおりです。
まずは請求者に対し、誠心誠意の謝罪をすることが最も重要です。
人によっては慰謝料より謝罪を求めている場合もあるため、真摯な謝罪を行うことにより、慰謝料請求の取り下げや減額が叶う可能性もあります。
また、謝罪は請求者の感情を鎮める効力もあることから、その後の交渉を円滑に進めるためにも必要です。
次に、相手の気持ちに配慮した発言を心がけるようにしてください。
不倫の事実に対して釈明などをすると、相手の怒りが増長し交渉が決裂する可能性が高まるため、発言の一つひとつを慎重に行うようにしましょう。
慰謝料の支払いが困難である場合は、まず請求者に状況をすることが重要です。
幼い子供を持つシングルマザーであれば、さまざまな支払いにより経済的な余裕がないことも少なくありません。
経済的に苦しい状況を、誠実に相手に対して説明をした上で交渉を進めるようにします。
慰謝料の一括払いが難しいなら、支払方法についての提案を行いましょう。
裁判では基本的に一括での支払いとされますが、示談交渉においては双方が合意する方法で支払えることから、分割払いを行うことも可能です。
支払開始時期、毎月の支払日・支払金額など、具体的な支払方法を支払者側から提案し、妥協点を探ることで支払方法を決定していきます。
相手が安心して暮らせるよう、不倫関係に関する誓約を行うことも注意点のひとつです。
誓約事項は不倫関係の精算、相手への連絡・接触を今後一切行わないことなどが代表的であり、相手の不安を取り除けるよう誓約を提案してください。
慰謝料や誓約に関して双方が合意したら、示談書を作成しておくことも大切です。
示談書には慰謝料の請求金額、支払い条件などが記載されますが、署名・調印を行うことで完成するため、実際の支払いは必ず示談書の作成後に行ってください。
示談書作成前に支払いを行うと、示談書が最終合意の結果と異なる内容で作成される可能性もあり危険です。
もし示談交渉で双方が合意に至らない場合は、法律の専門家の無料相談窓口に相談してください。
法律の専門家の無料相談窓口への相談では、円滑に交渉を進めるための知識を得られるだけでなく、交渉を依頼することも可能です。
一人での示談交渉が困難であると感じられたシングルマザーの方は、法律の専門家の無料相談窓口を積極的に活用しましょう。
経済的な事情により慰謝料を支払えないシングルマザーの方は、請求者との交渉が要となります。
請求者に対し誠実な謝罪を行った上で状況を説明し、相手の気持ちに配慮しながら支払方法の交渉を行い、示談書を作成した後に支払いを開始してください。
示談交渉において合意に至ることが困難であると感じられたシングルマザーの方は、法律の専門家の無料相談窓口に相談しましょう。
支払義務の有無、請求金額の妥当性、交渉の進め方、交渉の依頼など、慰謝料の支払いを有利にするための方法を、専門家の視点から提示してもらえます。