SNSは不倫の証拠になるか否かについて詳細に解説しています。SNSは不倫の証拠として認められ可能性を孕んでいますが、内容により証拠としては不十分だと判断されることもあります。どのようなケースで証拠と見なされるのか、SNSを不倫の証拠とし、慰謝料を請求された場合の対処法と併せて知識を備えておきましょう。
目次
SNSは不倫の証拠となり得ます。しかし下記のように、すべてが証拠となるわけではありません。
SNSは不倫の証拠になり得ます。投稿した写真や文章などが対象となることから、もし配偶者が閲覧していた場合、不倫の確固たる証拠として利用される可能性もあるでしょう。「不貞行為が行われていた」ことが明らかな内容であったなら、法律的な証拠として認められるケースは少なくありません。
SNSへの投稿すべてが不倫の証拠となるわけではありません。一般的には不倫の証拠といえる内容でも、法律的には不倫の証拠にならないこともあります。投稿の内容だけで不貞行為があったと判断できなければ、証拠とは見なされません。
肉体関係を強く推認させるSNS上のやり取りは不倫の証拠となり得ます。例えば、ホテルのベッドに2人で寝ている写真と肉体関係の話題がセットで投稿されているSNSなどは、第三者から見ても肉体関係があったことは明らかであることから、有効な証拠になると考えられます。
以下のSNSは不倫の証拠になりづらいと考えられます。
「愛している」「好きだよ」などの文言は証拠とされません。愛情を伝える文言だけでは、肉体関係をもっていたとは言い切れず、不倫関係を疑わせるものの、不倫を裏付ける決定的な証拠にはなりづらいと考えられます。愛情を伝えるだけの文言であれば、肉体関係があったと客観的に判断できず不貞行為の立証には不十分です。
肉体関係を連想させる文言も証拠になりづらいといえます。「昨日は気持ちよかったね」、「昨日はいつもより激しかったね」などのような文言が投稿されていたとしても、どのような出来事に対する感想であるか明らかにならないためです。確実に肉体関係に関連する投稿だと判断される場合は不倫の証拠になり得ますが、肉体関係の有無を判断できなければ証拠とはなりません。
SNSの内容により慰謝料を請求された場合の対処は次のとおりです。
まずは慰謝料の支払義務を確認しましょう。慰謝料請求が認められるのは、不倫前に夫婦関係が破綻しておらず肉体関係を持っていた場合などです。また、肉体関係を持っていたことは、慰謝料を請求する側が証明しなければなりません。不倫を疑わせるSNSは、内容により証拠になるか否かが判断されます。慰謝料の支払義務が生じないケースもあるので、最初に義務の有無を確認することが重要です。
次に慰謝料の請求金額を確認しましょう。不倫による慰謝料の相場は50~300万円程度となっており、相場を上回る場合は、交渉で減額できる可能性があります。よって、慰謝料の金額の妥当性を評価しなければなりません。
SNSが不倫の証拠となるか否かは、投稿内容により判断されます。SNSが誘因となり不倫が明るみになったなら、投稿内容が不倫の証拠になり得るかどうかを確認しましょう。内容により、法律的には不倫の証拠としては不十分だと判断されることもあります。慰謝料問題に発展した場合は、慰謝料の支払義務の有無、請求金額の妥当性などを評価しなければなりませんが、判断や評価には専門的な知識が必要です。正確な判断をするためには法律の専門家に相談し、最善の解決方法を仰ぐことが欠かせません。