結婚20年以上経ってから離婚する場合、いわゆる熟年離婚といえます。熟年離婚の場合、婚姻年数が経過するにつれ夫婦の共有財産は大きくなり、分与すべき財産は多岐にわたります。不倫を原因として慰謝料の請求が行われる場合には、婚姻期間が長期である分、配偶者の精神的苦痛も大きいと評価を受け、認められる慰謝料も高額となる傾向にあります。
裁判所の調停等で扱われた結婚20年以上の熟年離婚における財産分与と慰謝料の合計額の相場は、約700万円であると統計がでているようです。婚姻年数に限らず、すべての調停等の裁判手続きによる離婚事案で決められた財産分与と慰謝料合計額は平均380万円であることから、熟年離婚は高額になりやすいことがわかります。
慰謝料とは、不倫が原因で婚姻関係が破綻し、それによって配偶者が受けた精神的苦痛に対して支払われるものです。慰謝料の相場は100万円〜300万円となる傾向にありますが、不倫期間が10年を超える場合や、不倫相手との間に子供がいる場合などは慰謝料が高額となる傾向にあり、過去には500万円の慰謝料が認められた判例もあります。
財産分与は、婚姻後に形成した夫婦の共有財産を分けることを指し、原則として半分ずつ分けるものと考えられています。分与の対象となるのは、現金、不動産、自動車、有価証券、生命保険(返戻金)、年金記録、退職金などです。財産分与の分与割合は、どちらが離婚の原因になったかという事情は影響しません。
結婚20年以上の熟年離婚では慰謝料・財産分与の対象も多岐にわたるため、資産の調査から始め、離婚条件を十分に検討した上で協議を進めていく必要があります。慰謝料金額の検討や財産分与の内容についてお悩みの方は、まず法律の専門家の無料相談窓口に相談してください。